フィレンツェのドゥオーモの落書きとヴェローナの落書き
…7/2 記事一部訂正、写真二枚追加…
日本人が相次いでフィレンツェのドゥオーモに落書きしたことが、イタリアのレップブリカ紙にも掲載された。記事は、日本の主要なマスコミで報道され、彼らが社会的制裁を受けたことを報じつつ、落書きを”Rakugaki”と記している。この日本語がイタリアにそのまま定着、なんてことはないだろうけれど…。
実はイタリアにも落書は多い。さすがに歴史建造物の落書きは少ないと思うが(それ以外の場所の派手な落書きの影に隠れて、あるいはすぐに消されるため目立たないのかも…)。あ、いや一箇所だけ、まさにその歴史建造物の壁が落書きで覆われているところがヴェローナにあった。
世界遺産にもなっているヴェネト州の古都ヴェローナは、古代ローマ時代に築かれた円形闘技場アレーナで有名だが、もうひとつ観光客が必ず訪れるところがジュリエットの家だ。そう、あのロミオとジュリエットの舞台がヴェローナなのだ。
バルコニーの下にあるジュリエットの像は、胸をさわると恋が成就すると言い伝えられ、片方の胸ばかりがすっかり磨り減ってしまっている。まるでバチカンのサン・ピエトロ像の左足のように。
どうやらご利益を求める気持ちはカトリックの巡礼も恋人たちも同じらしい。
同じと言えば、なぜかふと、めらめらと落書きをしたくなる気持ちも、洋の東西を問わないようだ。なかでも圧巻なのはこのジュリエットの家の敷地内にある壁。
子供の頃、両親が落書き防止のために壁に大きな紙を貼って自由に書かせてくれたと、ある人の話を聞いたことがあるが(長じて彼女は画家になった)、この壁がまさにそれだろう。だがこれで観光客の指のむずむずは治まっても、ヴェローナっこのむずむずする指がおとなしくなっているのかは不明だ。
いずれもヴェローナの
アディジェ川の対岸地区
左は古代ローマ劇場にも近い
旧市街を望む広場
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