イタリア、ポンペイの遺跡に「非常事態宣言」

ナポリの近郊にあるポンペイは遺跡は、ローマから日帰りバスツアーもあるほどの人気の観光地だ。パッケージツアーで訪れる日本人観光客の姿も多い。
近隣のエルコラーノ（商業都市ポンペイに対して、こちらは小規模なリゾート地だった）と、トッレ・アヌンツィアータ（見事な壁画の館があるという）と共にユネスコの世界遺産にも指定されている。

有名な観光遺産ではあるが、何よりポンペイは、ベスビオ山の火山灰の下で長く眠っていたために、古代ローマの人々の暮らしを生き生きと今に伝えることになった、貴重な歴史遺産である。
宣言を出すほど状況が逼迫しているのか、詳細はわからないが、是非遺跡を荒廃から守ってほしいものだ。
ナポリの近郊にはクーマなど、ポンペイ以外にも古代遺跡がたくさん出土しているが、なかでも、やはり世界遺産となっているパエストゥム（ナポリの南100Ｋｍ）は、訪れる価値が高い。三体の巨大なギリシャ神殿が並ぶ一帯は、野の花が咲き乱れる広い考古学公園になっている。ポンペイほど訪れる観光も多くなく、古代の時間にゆっくりと浸ることができる。公園の近くにある考古学博物館も見ごたえがある。