イタリア・スポレート歌劇場オペラ「シンデレラ(チェネレントラ)」静岡・浜松でも公演
2007年に来日して人気を博したスポレート歌劇場が今年もやってくる。演目はロッシーニの「シンデレラ(チェネレントラ)」。
東京、大宮、横須賀、大阪、名古屋などに加えて、県内では浜松と静岡で上演される。イタリアの小さな街の、しかしながら世界に誇る歌劇場が地元の地方都市にやってくる、そのことも嬉しい。
イタリアには小さな町にも劇場がある。トスカーナのモンテプルチアーノでは、無骨な石組みの外壁からは想像も出来ないほど、内部はかわいらしい、美麗な劇場だった。
ウンブリア州のべバーニャの自慢は、古代ローマの円形劇場の遺構だけでなく、天井のフレスコ画の美しい劇場だし、アブルッツォ州の、10分も歩けば旧市街を抜けてしまうような町オルトーナにも、海を臨む広場に新古典様式のファサードを持つ立派な劇場があった。
ヴィチェンツァの劇場(パッラーディ作・内部は木造)では保存のためにオペラこそ上演されないものの、他はどの劇場も現役で活躍している。劇場は市民の誇りであるとともに、日常の暮らしの中にしっかりと根をおろした、美と芸を愛でる楽しみの場なのだ。
だがいかに小さかろうと、ウンブリア州スポレートの劇場は、市民のためだけのものではない。
古代ローマに起源を持つこの古い町には『二つの世界フェスティバル』と『若きオペラ歌手のためのヨーロッパ声楽コンクール』という世界中から注目されている大きな音楽イベントがある。
夏に、美しいロマネスク様式のドゥオーモ前の広場までを観客で埋めて開催される音楽フェスティバルと、新人オペラ歌手の登竜門とされるコンクール、これらによってスポレート歌劇場は、世界にその名を鳴り響かせているのだ。
ロッシーニの作品を歌う歌手は、超絶技巧を求められることから「ロッシーニ歌い」と敬されていると言う(さらに演技のうまさも必要だとか)。静岡のグランシップの入場券を購入した方は、ロッシーニのオペラについて、スポレート歌劇場についてなど、無料で受けられる事前レクチャーがおすすめ。
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