「オペラ 愛の名曲20+4選」—初心者に最適の入門書

イタリア旅行のプランニングの際、本場のオペラを体験したいというリクエストを受けることがある。オペラのシーズン(秋から春にかけて)と、旅行の滞在時期のタイミングがあえばおすすめだが、この本はそんなオペラ初心者の方に最適の入門書だ。


演目に合わせて、あるいは贔屓の歌手を目当てに出かけて行く、などというオペラファンは別にして、初心者は滞在予定の都市で上映している作品を鑑賞することになるが、主な観光都市をいくつか廻るような行程なら、その中のどこかでポピュラーな演目を上演している確立は高い。
そのような場合、少しでもストーリーや作中の有名なアリアなどを知っておくと、本格的なオペラ劇場の雰囲気もあって、きっとその夜の楽しさは何倍にもなる。
この本ではプッチーニやヴェルディなどのポピュラーな作品を数多く取り上げ、その中から愛の名曲を厳選して解説している。その全ての曲が添付のCDに収められているのだが、おそらくほとんどの方はそのなかの何曲かに聞き覚えがあるはずだ。実はオペラは現代の私たちの生活に入り込み、生き続けている。それほど、オペラは長く幅広く愛される魅力を持っているのだとも言える。
機会がれば、あまり難しく考えずに気軽にトライして欲しいのだが、その際の注意事項を一点だけ挙げておこう。
オペラの開演は夜の9時頃と日本人の感覚からするとすこし遅い時間が普通だ。この時間は時差ぼけを抱えた旅行者にはかなり辛い時間で、疲れがたまっているとアリアを子守唄代わりに気持ちよく船を漕いで終わってしまった、などということにもなりかねない。また、翌日の早朝に次の目的地に出発、などというのではスーツケースの準備が気になるかもしれない。オペラ鑑賞(バレーやコンサートも同様)を希望される方は、くれぐれもゆとりのある行程でプランニングされますように。
それからオフシーズンの夏には、ヴェローナのアレーナ(古代ローマの円形闘技場)や、ローマのカラカラ浴場跡などで行われる野外オペラがおすすめだ。イタリアの乾いた夏の夜空の下で繰り広げられるスペクタクルは、また格別に楽しい。
※イタリア旅行専門店”invia”では、トータルプランをご用命の方にオペラチケットの手配サービスを行っております。お気軽にご相談ください。
「オペラ 愛の名曲20+4選」(著者:加藤浩子、春秋社 2006年7月刊)

2 Comments on 「オペラ 愛の名曲20+4選」—初心者に最適の入門書

  1. molko // 2008/6/9 at 00:06 //

    グランシップの「チェネレントラ」行きます。オペラ初心者ですが、ちょっと今事前の講座に出掛ける余裕はなくって。この本、役に立ちそうですね。
    今日の日記を読んでいて思い出したのが10年くらい前に行ったロンドンでのこと。知人が手配してくれて「オペラ座の怪人」を観に行ったのですが、着いた翌日で前夜はほとんど寝ていなかったので、途中で爆睡してしまいました。それでなくても英語でわからないのにもう、全然覚えてません。
    自ら頼んだわけではなく、お金も払っていないので余計気が緩んでいたのかも知れませんが。

  2. takekawa // 2008/6/9 at 01:17 //

    molkoさん、
    グランシップ、私も行きます。
    もしかしたらmolkoさんも行かれるかな、と思っていました。
    先に聞いてみればよかったな…。
    この本には残念ながらチェネレントラ(シンデレラ)は収録されていないけれど、
    でも今まで知らなかったオペラのアリアで気に入るものもあるかもしれませんよ。
    ロンドンでのこと、さぞ気持ちよかった?ことでしょう(私も同様の経験があるので知っている…)。
    それと日本での上演で助かるのは字幕付きであること、ですよね。
    ま、チェネレントラはよく知ったお話だから、より音楽に集中できるかもしれませんが。
    ではでは。
    会場でお会いしましょう!

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